【夫婦で住宅ローン】連帯債務と連帯保証の違いとは!?

住宅ローンを組む場合、夫婦で契約するときは連帯債務連帯保証のどちらかを選択することになりますが、実はこの2つはかなり大きな違いがあります。

 

この違いを知らずに契約して、想定外のことが起こらないようにこの機会にチェックしておきましょう!!☺

 

連帯債務と連帯保証とは?

夫A、妻Bとし、1,000万円の住宅ローンを組むこととします。

 

AもBもお金を借りる契約をし、連帯して1,000万円返済します。」という契約が連帯債務です。この場合、AとBとの間には負担割合が存在し、(例えば平等にするとすれば)内部的には500万円ずつ返済する義務があります。

 

Aだけが1,000万円借りる契約をし、Aが返済できない場合はBが代わりに返済することを保証します。」という契約が連帯保証です。

※わかりやすさを重視するために正確性を犠牲にしております。

 

ただし、この連帯保証というのは通常の保証と違い、実は、金融機関がAに請求せずにいきなりBに請求してきても、文句を言うことができません。

 

「あれ?!それじゃ、どちらを選んでも同じじゃないか!!」

 

と思いませんか?そうです。何事もなく人生を歩んでいるのなら連帯債務も連帯保証も効果は同じです。

 

大きな違いが出てくるのは、夫Aが死亡した場合です!!

 

皆様は団体信用生命保険というものをご存知でしょうか?

住宅ローンを借りるとき、多くの金融機関では団体信用生命保険(俗に、団信といいます)への加入をローンの条件としています。この団体信用生命保険は、ローンを借りた人(=加入者)が返済期間中に死亡または高度障害になった場合、保険会社から金融機関へローン残債と同額の保険金が支払われることにより、以後のローン債務が全額免除される制度です。

 

【本題です】夫Aが団信に加入していた場合に、Aが死亡したケースで検討してみます。

(※ペアローンではなく、夫Aが主債務者、妻Bが連帯債務者となり、一本の住宅ローンを組んでいることとします。)

(※商品によって様々なパターンが存在しますので、一例としてご覧ください。)

 

連帯債務の場合、Aの割合500万円分だけ団信が適用され、その分の保険金が下ります。つまり、妻Bの割合500万円分の返済は残ってしまいます。

 

連帯保証の場合、借りているのはAだけなので、ローン全額に対して団信が適用され、返済は1,000万円全額免除されます。つまり、妻Bは住宅ローンの返済する必要がなく、土地建物を所有することができるのです。

 

よって、妻Bの収入が少ない場合は、連帯保証を選択する方が残された妻の負担は大きく軽減されることになります。

 

 

さらに、違いが出る場合がもう1点あります。

 

それは離婚をした場合です。

 

自宅を購入するときに、誰も離婚をすると思って購入する人はいません。しかし、人生には「まさか」があります。

 

離婚をした場合は、様々なパターンが考えられます。各金融機関の取り扱いやA・Bの信用力によって、対応が異なります。

 

基本的な考え方として、連帯債務の場合はAもBも「自分がお金を借りている」のであるから、どちらかが借金を引き受ける契約をする必要があります。

 

連帯保証の場合は、あくまで「お金を借りているのはAだけ」ですから、Bの連帯保証を取り外して、別の人(例えば、次の奥様)に連帯保証人を変更することもあります。

 

ここで注意なのが、上記のような手続きは、金融機関が認めればそのように手続きすることができるということです。

同じくらいの収入・信用のある人を代わりに立てなければ金融機関としても変更を認めるわけにはいかないのです。

 

同じように、離婚をしたからといって、財産分与をして勝手に土地の名義を変えていいわけではありません。こちらも金融機関の承諾がなければ名義変更してはいけないことになっています。(※ほぼ100%そのような契約内容になっています。名義変更の手続きはできますが、契約違反になるということです。)

 

このように、土地のを購入する際に名義を夫婦共有にするのか、1人だけの名義にするのかということは、「まさか」が起こったときに大きな違いとなって表れるのです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

将来の悪いことばかり想像して契約しましょうというつもりは全くありません。ただ、そういった内容を分かった上で契約をするのとしないのでは、心持ちが全く違うのではないでしょうか。少しでも参考になれば幸いです。

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