司法書士が教える「一番多い相続で揉めるパターン」

相続の相談を数百件受けてきますと、遺産争いをする悲しい現場をよく目の当たりにします。その中で、揉める家族のパターンがいくつか見えてきます。

 

「財産をたくさん持っている人でしょ?」

 

という声が聞こえてきそうですが、実際にお金がたくさんあって揉めているというのはそこまで多くありません。

 

つい昨日も、相続の相談を受けたのですが、その内容が遺産争いであり、一番揉めるパターンでしたのでご紹介します。

 

ズバリ!

「兄弟姉妹の中で、親の面倒を全く看なかった人がいる」ケースです。中でも、多くは都会に出ている兄弟姉妹(わかりやすくするため、以降「次男」とします)がいる場合です。

 

なぜ揉めるのか、想像できるでしょうか?

 

地元に残って親と生計を共にし、介護をしてきた長男からすれば、親の財産は自分が多くもらうのが当然と思っています。(あるいは、親が実際にそう言っていた)

 

しかし、面倒を全く看てこなかった次男は、「もらえるもんは、法律通りきっちりもらうよ」となり、揉めるわけです。

(兄弟が仲良くても、配偶者が口を出し始めるとまず揉めます。)

 

残念ながら、法律上は介護をしても財産を多くもらえるわけではないので、実際は均等(法定相続分割合)になります。

 

そして、父の財産のうち、長男も住んでいる土地建物が遺産の大部分という家族も多いでしょう。そうすれば、土地建物をもらわざるを得ない長男は、父の預金をすべて次男に渡さなければいけません。父の預金をすべて渡しても均等とならない場合は、さらに自分の財布から出さなければならないのです。

 

これはいくらなんでも、長男が可哀想ですよね。

 

子供たちの中に良くしてくれた子がいる場合は、公正証書遺言を書いて遺産争いとならないようにしましょう。

 

遺言は元気なときにしか書けません。認知症が発症してからは、もう書けないのです。書くべき時期には書けないのが現実です。思い立ったときにすぐに行動に移すことが大切です。

 

他にも遺言を書いておかなければトラブルになるケースを掲載しておりますので、ご覧ください。

 

「うちは、家族仲が良いから大丈夫だ!」とよく言われるのですが、実際はその方が亡くなられて家族が揉めている現場を多く見ています。家族の幸せを思うのであれば、公正証書遺言を書いておきましょう。

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