先日、相続のご相談で70代の女性が事務所にお越しになられました。
お話を伺うと、亡くなられたご主人は最期の10年間ほとんど体を動かすことができず、その間ずっとご自宅で介護を続けてこられたとのことでした。
長期間の介護は綺麗事ではありません。
10年間、大変だっただろうな——そんな気持ちで聞いていた私に、女性はこうおっしゃいました。
「とても充実した10年間でした」
思わず「大変ではなかったのですか」と尋ねると、「ずっと主人のそばにいられて、たくさんお話ができて、楽しかったです」と、穏やかに笑っておられました。
「ご夫婦円満の秘訣は何ですか」と聞いた私に、女性はまっすぐな目でこう答えられました。
「秘訣ですか…よくわからないですけど、私は主人のことが大好きでしたから」
70代の女性が、ご主人のことを「大好きでした」とまっすぐに語られる。その姿があまりに素敵で、気づけば私は「大変勉強になりました」と頭を下げていました
うまく言葉にできない、色々な感情が込み上げてきました。
そういうご夫婦だからこそ、お子様たちもとても仲が良く、本当に温かいご家族でした
相続のお手伝いをしていると、財産や手続きの話の奥に、その方が歩んでこられた人生そのものが見えてきます。
私が目指しているのは、こういうご家族の在り方なのだと、改めて思わせていただいた一日でした。ありがとうございました。



(※本掲載についてご本人の承諾を得ています)