私司法書士の他、弁護士・税理士・社会保険労務士・中小企業診断士が勢揃いで1年がかりの事業譲渡がありまして、無事完了したので備忘録として書き残しておきます。
シンプルに事業譲渡を原因とする所有権移転登記だけであれば、難易度は高くないのですが、今回は「中小企業等経営強化法に基づく支援措置」を活用しました。
中小企業等経営強化法に基づき、認定を受けると登録免許税と不動産取得税が減税となりますので、固定資産税評価額によってはかなり安くなるのでぜひ検討すべきです。
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中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(12ページ参照)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/pdf/tebiki_zeiseikinyu.pdf
※令和3年6月1日現在の情報ですので、最新情報は必ず確認してください。
余談ですが、認定を受けて適用証明書を添付すれば「事業譲渡」を原因とする所有権移転登記について土地も建物も登録免許税が1,000分の16になります(原則は1,000分の20)。もともと売買であれば、土地については1,000分の15まで減税されているので、この制度を利用することで逆に1,000分の1増加してしまうため場合によっては土地は別途売買で行うことも事例としてはあるのかも(?)しれませんが、登録免許税だけでなく不動産取得税も減税されますので、素直に土地建物とも「事業譲渡」を原因として認定を受けて所有権移転登記するのがいいのではないでしょうか。
適用証明書【例】 ※認定書とは別々に発行されます。 ※個人情報は削除しています。
申請書と登記原因証明情報は、以下のとおり申請しました。
※確実に登記が認められることを保障するものではありません。案件によってケースバイケースですので、ブログ記事に関するご質問には回答しかねます。参考にされる場合は、自己責任お願いします。
【登記申請書】
登記の目的 所有権移転
原因 令和〇年〇月〇日事業譲渡
権利者 A
義務者 B
添付情報
登記原因証明情報
登記識別情報
住所証明情報
印鑑証明書
代理権限証明情報
会社法人等番号
適用証明書(※減税証明書。認定書とは別々に発行されます。)
株主総会議事録(※会社法第467条の事業譲渡の承認決議)
令和〇年〇月〇日申請
〇〇法務局
課税価格 金〇〇 円
登録免許税 金 〇〇 円
租税特別措置法第80条第3項第1号
(※適用証明書を添付することで、土地も建物も1,000分の16)
不動産の表示(省略)
【登記原因証明情報】
令和〇年〇月〇日
〇〇法務局 御中
1 登記申請情報の要項
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 令和〇年〇月〇日事業譲渡
(3)当 事 者 権利者 A
義務者 B
2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)令和〇年〇月〇日、甲と乙は、事業譲渡契約を締結した。
(2)上記事業譲渡契約には、本件不動産について事業譲渡を原因として令和〇年〇月〇日付けにより所有権移転する旨が定められている。
(3)よって、令和〇年〇月〇日、乙から甲に本件不動産の所有権が移転した。
上記の登記原因のとおり相違ありません。
(義務者)B
不動産の表示(省略)