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どのくらいの費用で株式会社は設立できるか?

2017-10-29

前回法人化のメリット・デメリットについて記事を書かせていただきましたが、今回はもう少しつっこんだお話をします。

 

まず、いくらで株式会社を設立することができるか?ですが、実費だけでいうと24万円強必要となります。

≪内訳≫

定款の収入印紙 40,000円

定款認証費用 50,000円強(定款の枚数により増加)

登録免許税 150,000円

計 240,000円強

 

つまり、司法書士に依頼せずに自力で会社設立手続きを行えば、240,000円強で設立できます。

 

会社設立を司法書士に依頼すれば報酬を払わなければならないと躊躇される方も多いと思いますが、実は会社設立の手続きは、司法書士に依頼した方が費用面でお得になることもあります。

 

司法書士が定款を作成する場合には、紙に印刷するのではなく電子文書の形式で作成し、インターネット経由で認証手続きを行う電子定款認証という方法をとります。

(注)今でも紙で手続きする司法書士はおりますのでご依頼前には司法書士お問合せすることをお勧めします。

電子定款認証なら収入印紙の貼付が不要になりますから、司法書士に依頼すれば、手続きにかかる費用が40,000円少なくてすむことになります。

 

つまり、司法書士に会社設立を代行してもらう場合にも、実質的な手数料の負担は少なく、面倒な手続きを全て任せられるということです。会社設立の手続きを一から全部自分でやろうと思うと、手間と時間ばかりかかってしまい、本業に支障が出てしまうこともあります。

 

当事務所にお任せいただければ、総額300,000円(税込み)で手続きさせていただきますので、ご自身で手続きされるときより実質プラス60,000円の費用負担で会社設立できます。司法書士に依頼するメリットはかなり感じていただけるのではないでしょうか。

 

ご用意いただく必要書類としては、以下の通りです。

発起人(出資者)の印鑑証明書 各1通

取締役になる方の印鑑証明書 各1通

 

つまり、発起人(出資者)であり取締役にもなる方については2通必要となります。

 

その他、会社実印となる印鑑をあらかじめ作成していただくと大変スピーディに会社設立ができます。

通常は2週間程度お時間いただきたいところですが、書類・印鑑・資金などがすべてそろっていて、どのような会社にしたいか内容も決まっている場合は、早くて1週間程度で会社設立登記まで手続きできます。

 

ちなみに過去最短は、ご相談をいただいてから3日で設立申請したことがあります。(なお、申請から3日~1週間程度、登記完了まで法務局内部の手続きがかかります)

 

いかがでしょうか?まだまだ会社設立について未知数な部分がたくさんあると思いますので、疑問点などありましたらいつでもお電話お待ちしております。

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法人化のメリット・デメリットって何だ!?

2017-10-27

最近よく会社設立のご相談を受けますので、法人化のメリット・デメリットをまとめておきますね!!

 

【会社設立のメリット】

1.取引先や仕入先から信頼を得やすく、取引先の幅が広がる

事業を行う上で、取引先が株式会社であることが条件となっている場合は少なくありません。

 

2.節税面でメリットが大きい
節税という観点から言えば、一般的に年間所得が継続的に600万円又は売上1,000万円以上の水準になってくれば法人化した方が有利といわれています。事務的な負担やランニングコストも発生してきますので、所得が増えてくれば税理士と一度面談して税額を計算してもらうのがいいでしょう。

 

3.資金調達の幅が広がる
金融機関からの融資は個人事業と法人では大きく違います。個人事業で金融機関から融資を受けようとする場合、第三者保証人を要求されるなど、条件が厳しくなりがちです。一方、法人の場合は広く融資の可能性が開かれています。

 

4.採用の幅が広がる
採用はやはり法人の方が有利です。働く人にとって、個人事業よりも法人の方が社会保険の面で充実しておりますので採用もしやすくなります。

 

5.決算月を自由に決められる
個人事業の場合は1月~12月が事業年度と決められていますが、法人の場合は決算月を自由に決める事が可能です。決算月はあえて忙しい時期にする必要はありません。

 

6.相続税がかからない
会社は解散しない限り存在し続けますので、社長個人がお亡くなりになっても相続税をかけることなく次の世代に受け継ぐことができます。多くの資産家が不動産や財産の管理会社を所有するのはこのメリットがあるからです。

 

【会社設立のデメリット】

1.赤字でも払わなければならない税金がある(ランニングコスト)
法人化すると、毎年税務申告を行う際に、たとえ赤字であっても支払わなければならない税金があります。それが法人住民税の均等割です。
少なくとも毎年7万円はかかると考えておきましょう。
・愛媛県民税均等割 21,400円
・八幡浜市民税均等割 50,000円

 

2.社会保険への加入が義務づけられている
法人化すると、健康保険と厚生年金保険への加入が義務づけられます。その際の保険料が国民健康保険と国民年金に比べて高額になるのです。金額は給与額に応じて決まりますが、ほぼ給与額に比例します。
また、この保険料は会社と本人が折半する形になります。会社の負担としては、従業員が増えれば増える程大きくなっていきます。裏を返せば従業員にとってはメリットということになります。

 

3.手続き負担の増加
法人化することで事務負担は明らかに増加します。会計処理は会社法に則った形で処理を行う必要がありますし、申告書も所得税の確定申告とは異なり複雑になりますので、税理士さんにお任せしなければ厳しいかもしれません。

それ以外にも具体的には以下のような負担増が出てきます。
・法人税申告
・社会保険や労働保険の手続
・登記手続き

 

以上、メリット・デメリットをざっと書かせていただきましたが、今日はこの辺で!

 

次回は、一番気になる会社設立の費用、必要書類など、実際に設立段階になったら気になる点を記事にしますね☺

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ディズニーランドのアトラクションにも登記があるって知ってました?!

2017-09-29

Yahoo!ニュースに、司法書士としてはとても興味深い記事がありました。

 

シンデレラ城、最上階は「3LDK」並み? 謎の地下室も! ディズニーランドの「登記」に意外な姿- Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170924-00000001-withnews-sci

 

なにぃー!

あのディズニーランド内の建物も、しっかり登記されてるんですね〜。

 

シンデレラ城の建物の種類として登記されているのは「店舗 劇場」、スペース・マウンテンは「遊技場」となっているそうで、まあそうだろうな〜って感じですが、

 

なんと!

 

スプラッシュ・マウンテンについては、「スプラッシュ・マウンテン」と登記されているというのだから驚きです❗️❗️

 

 

…あれ、あまり興味ないですか?笑

 

司法書士としては、興奮を抑えられず思わずブログの記事にしました(^^)

珍しい登記シリーズ「賃借権設定登記、さらに賃借権質権設定登記」

2017-08-30

またもや来ました、珍しい登記を経験しましたので書き残しておきたいと思います。今回の手続きを忘れているであろう10年後の自分のために…(笑)

 

司法書士業界には約10年おりますが、開業してから珍しい手続きを多くさせていただいております。不動産取引、住宅ローンや贈与手続きなどのよくある手続きはもちろん慣れておりますが、今回のような珍しい手続きをさせていただくことで専門家として深みがでるってもんですね(^^♪

 

難解な手続きどんと来い!!

 

今回の手続きは「賃借権設定登記」と「賃借権質権設定登記」でした。

 

賃借権設定登記はたまにあります。例えば、事業用借地権(コンビニやガソリンスタンドが土地を借りるなど)のときなど登記することもありますが、賃借権を目的として質権設定を行うのはちょっと珍しいですね。

 

※抵当権は物権(所有権、地上権、永小作権)にしか設定することができませんが、質権は債権(指名債権や賃借権)にも設定することができるのです。

 

今回はなぜこんなことをする必要があったかというと、土地の所有者から事業者が土地を借りて太陽光パネルを設置し、その事業者が借りている権利を銀行が担保を取って融資をしたのです。

 

登記原因証明情報の概要は以下の通りです。

 

1 登記申請情報の要項 

(1)登記の目的        1番賃借権質権設定

(2)登記の原因        平成〇年〇月〇日金銭消費貸借

                            平成〇年〇月〇日設定

(3)当 事 者        権利者(甲) (本店)

                 (商号)A

                 (代表取締役)

          義務者(乙) (住所)

                 (氏名)B

(4)不動産の表示     

   〈省略〉

2 登記の原因となる事実又は法律行為

(1)平成〇年〇月〇日、甲と乙は、下記内容の金銭消費貸借契約を締結し、同日、甲は乙に対し、本契約に基づく金銭を貸し渡した。

   債権額 金〇〇万円

   損害金 年〇〇%(年365日の日割計算)

   債務者 B

(2)平成〇年〇月〇日、甲と乙は、上記記載の債権を被担保債権として、下記賃借権質権設定契約を締結し、本件土地賃借権(平成〇年〇月〇日法務局受付第〇〇号登記済み)の上に第1順位の使用収益禁止特約付の質権を設定した。

(3)本件不動産の所有者であるZは、本件土地賃借権(平成〇年〇月〇日法務局受付第号登記済み)への賃借権質権設定を異議なく承諾した。

 

  質権の表示

   〈省略〉

 

まず、一つのポイントとして、原則として質権の成立要件に「引き渡し」がありますので、登記の原因となる事実又は法律行為の要件として引き渡しの旨を記載すべきではないか?との疑問がありますが、今回は使用収益禁止の特約があるため、そもそも引き渡しが必要ありませんでした。

 

法務局の方からも「引き渡し」について言及がありましたが、結局引き渡しがなくても質権は成立しているということで通りました。使用収益をしないのであるから、そもそも引き渡しをする必要がなく、諾成契約になるということですね。

 

所有者の承諾書(印鑑証明書付き)を添付したことと、登録免許税は質権の債権額×1000分の4だということくらいでしょうか。

 

所有権に設定する質権とは違い、賃借権質権は付記で登記されるので「うーん、1,000円かな?」とも悩みましたが、通常どおり債権額×1000分の4でした。

 

登記完了後の全部事項証明書はこんな感じです

(※案件によってケースバイケースですので、ブログ記事に関するご質問には回答しかねます。参考にされる場合は、自己責任お願いします。)

 

実務書にも載っていないような登記ですが、そんなマイナーな登記も軽々こなすのがプロってもんですよね☺これからも精進します!!

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遺言を超える財産の承継方法!?民事信託のススメ

2017-07-05

最近新聞やニュースでもちらほら耳にするようになった「民事信託」という言葉。

 

投資信託とは、違いますよ!!

 

民事信託とは、一言でいうと、財産管理の一手法です。

 

・・・ちょっとまだ意味がわかりませんよね(笑)

 

 

1つ事例をご紹介します。

 

相続対策の一つに遺言があります。こちらはみなさんイメージがつくと思います。

 

「私が死んだら、財産を妻にあげたい。」

 

遺言に書いておくとそれが実現します。しかし、遺言は自分の次の人までしか財産の承継先を決めることができません。

 

つまり、次の人までは決められますが、さらにその次の承継先については、コントロールできません。

 

 

ところが、信託は違います。

信託は相続対策の世界に革命を起こしました。それは…

 

「私が死んだら、財産を妻にあげたい。そして、妻が亡くなったら、次は弟の息子にあげたい。その次は…」

 

といった具合に、数代に渡って財産の承継先を決められるようになったのです。(年数に制限はあります)

 

 

上記は、夫婦の間に子供がいないケースによく用いられます。

 

「先祖代々受け継がれてきた土地(又は会社)を妻に使わせてあげたいが、妻が亡くなると妻の親族に権利が行ってしまう…。妻が使ったあとは、弟の息子に承継してほしい。」

(※会社=自社株です。)

 

こういった需要は一定数あると思われます。

 

遺言であれば、「自分→妻」までしか指定できなかったことが、信託を使えば、自分の意志で「自分→妻→弟の息子」と承継させることができるのです。

 

信託は頻繁に用いる手法ではありませんが、今までできなかった自由な相続対策が可能になったということで、とても魅力があるのです。

 

信託の凄さはまだまだこんなものではありません!今後少しずつ信託の凄さをご紹介していきますね(^^)/

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相続手続きが変わる!?法定相続証明情報証明制度ってどんなメリットがあるのか?

2017-06-14

平成29年5月29日から、全国の法務局において法定相続証明情報証明制度が始まりました!これによって、面倒だった相続手続きが簡易になります!

 

リンクの司法書士会連合会のページをご覧いただくと詳細に記載されておりますが、長文で読む気がしないという方がほとんどではないでしょうか(笑)

 

「つまりどういうこと!?」という声が聞こえてきそうなので解説します。

 

つまり、

 

【今まで】→相続手続き(銀行手続き、土地建物の名義変更、株式の名義変更など)の際には、各窓口にいちいち分厚い戸籍一式を提出しないといけなかった

【これから】→先に法務局で「法定相続証明情報証明書」を取得しておけば、各窓口にその1枚だけ提出さえすれば戸籍は不要!!

 

となったのです。

 

便利ですよね!(^^)!

 

ただ、個人的にこの制度はあまり利用されないのでは?と思っています。

 

とても便利そうなのに、なぜだと思います?

 

 

それは、みんなお金が先だって必要になるから、先に銀行手続きをしてしまうのです。(このとき戸籍一式を銀行に提出・提示します)

 

土地建物の名義変更登記(法務局)は、みなさん後回しで、むしろ最後に手続きする方がほどんどです。

 

つまり、先に法務局にて「法定相続証明情報証明書」を取得してから、銀行や証券会社に相続手続きに行くと制度が生きるのですが、なかなかそういった方はいらっしゃらないのではないか?と思っています。

 

実際にメリットを感じて利用するかしないかはもちろん自由ですが、こういった制度があるということは知っておいて損はないですよね!

 

当事務所では、土地建物の名義変更手続き(登記)をさせていただきますが、ご希望の方には併せて「法定相続証明情報証明書」も取得いたします☺預金解約前に来ていただけると、お客様の負担が少なくなりますし、銀行窓口でもスピーディに手続きが終わりますよ。

 

ご興味ある方はいつでもご相談ください。

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司法書士が教える「一番多い相続で揉めるパターン」

2017-06-07

相続の相談を数百件受けてきますと、遺産争いをする悲しい現場をよく目の当たりにします。その中で、揉める家族のパターンがいくつか見えてきます。

 

「財産をたくさん持っている人でしょ?」

 

という声が聞こえてきそうですが、実際にお金がたくさんあって揉めているというのはそこまで多くありません。

 

つい昨日も、相続の相談を受けたのですが、その内容が遺産争いであり、一番揉めるパターンでしたのでご紹介します。

 

ズバリ!

「兄弟姉妹の中で、親の面倒を全く看なかった人がいる」ケースです。中でも、多くは都会に出ている兄弟姉妹(わかりやすくするため、以降「次男」とします)がいる場合です。

 

なぜ揉めるのか、想像できるでしょうか?

 

地元に残って親と生計を共にし、介護をしてきた長男からすれば、親の財産は自分が多くもらうのが当然と思っています。(あるいは、親が実際にそう言っていた)

 

しかし、面倒を全く看てこなかった次男は、「もらえるもんは、法律通りきっちりもらうよ」となり、揉めるわけです。

(兄弟が仲良くても、配偶者が口を出し始めるとまず揉めます。)

 

残念ながら、法律上は介護をしても財産を多くもらえるわけではないので、実際は均等(法定相続分割合)になります。

 

そして、父の財産のうち、長男も住んでいる土地建物が遺産の大部分という家族も多いでしょう。そうすれば、土地建物をもらわざるを得ない長男は、父の預金をすべて次男に渡さなければいけません。父の預金をすべて渡しても均等とならない場合は、さらに自分の財布から出さなければならないのです。

 

これはいくらなんでも、長男が可哀想ですよね。

 

子供たちの中に良くしてくれた子がいる場合は、公正証書遺言を書いて遺産争いとならないようにしましょう。

 

遺言は元気なときにしか書けません。認知症が発症してからは、もう書けないのです。書くべき時期には書けないのが現実です。思い立ったときにすぐに行動に移すことが大切です。

 

他にも遺言を書いておかなければトラブルになるケースを掲載しておりますので、ご覧ください。

 

「うちは、家族仲が良いから大丈夫だ!」とよく言われるのですが、実際はその方が亡くなられて家族が揉めている現場を多く見ています。家族の幸せを思うのであれば、公正証書遺言を書いておきましょう。

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