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【抵当権変更登記】単独の債務者から連帯債務者への免責的債務引受 ~保証債務の債務引受~

2019-02-22

ワクワクするような珍しい仕事に出会いました!

今回は備忘録として、抵当権変更登記の免責的債務引受契約にいて書きたいと思います。

 

【登記記録】

抵当権者 A保証会社

債務者 B

所有者 C・D

(※本抵当権変更登記の前提として、BからC・Dへ所有権移転登記を行っています。)

 

こちらの状態で、債務者 BからC・Dが免責的債務引受契約を行い、変更後の事項を「連帯債務者 C・D」としたいとのご相談が某銀行からありました。

 

よくあるパターンでは、「債務者 B→債務者 C」だったり、「債務者 B→連帯債務者 B・C」とする重畳的債務引受だったりするのですが、今回は、BからC・Dに免責的に引き受け「C・Dの連帯債務」にするとのことでした。

 

某銀行にもA保証会社にもこの様式がなかったようで、そもそも1つの契約で大丈夫なのかということのリーガルチェックと、契約書作成のご依頼を受けました。

 

私は民法上も登記上も全く問題なく1つの契約書及び1件の登記申請で可能との感触を持ったのですが、意外にも珍しいパターンであるため、念のため法務局にも確認したところ「過去の先例にもないし、書式にもないので、調査の時間をください」とのこと。

 

3日待ってようやく「貴見のとおり」との回答を得られました。

 

登記原因証明情報は以下のとおりです。(契約書は長文になるので割愛します)

 

登記原因証明情報

 

平成   年   月  日
〇〇法務局 御中

 

1 登記申請情報の要項

(1)登記の目的 抵当権変更

(2)登記の原因 平成  年  月  日免責的債務引受

(3)変更後の事項 連帯債務者 C・D

(3)当 事 者 権利者 A保証会社

         義務者 C・D

 

(4)不動産の表示 省略

 

2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)平成  年  月  日、債権者 A保証会社および債務者Bと引受人C及びDは、本件不動産上の抵当権(平成年月日〇〇法務局受付第〇〇号)の被担保債権である平成  年  月  日付保証委託契約によるBのA保証会社に対する求償債務について、C及びDが連帯債務者として免責的に引き受ける旨の免責的債務引受契約を締結した。
(2)平成  年  月  日、C及びDは、前項の免責的債務引受けについて同意した。
(3)よって、同日、本件抵当権の債務者は連帯債務者 C及びDに変更された。  

 

 上記の登記原因のとおり相違ありません。

 

設定者 C・D(署名押印)

 

 

様式・書式がなくても、民法と不動産登記法の原理原則に基づいて書類を作成できるのがプロってもんですよね☺ワクワクするような仕事に出会えたことに感謝いたします!!

【法改正】2020年7月10日から、法務局に自筆証書遺言を保管してもらう制度が創設されます!

2019-01-13

2020年7月10日から、法務局に自筆証書遺言を保管してもらう制度が創設され、家庭裁判所による遺言の検認手続きを省略できるようになります。

 

自筆証書遺言と公正証書遺言の効力の一番の違いは、検認手続きが必要か不要かという点にあるといえますので、改正後においては自筆証書遺言作成の促進が期待されています。なお、公正証書遺言については法務局に保管申請することはできません。(公正証書遺言については、原本が公証役場に保管されています。)

 

 

検認手続きとは、家庭裁判所に相続人全員が集まって、遺言書が検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。その「内容」が有効か無効かを家庭裁判所が判断する手続きではありません。

≪※「形式上有効な遺言書」と、「実際に使えるか遺言書」というのは、全く違います。どういうことかというと、形式上有効であっても、財産の特定が不十分であったり、本当に遺言者本人が書いたものか特定できなかったり、さらには財産をあげたい人が特定されていなかったりして、実際の手続きを行う銀行窓口や法務局でお断りされることがあるのです。≫

 

この検認手続きは、相続人全員の戸籍をすべて集めてから、家庭裁判所に検認の申立てを行い、その後に家庭裁判所から相続人全員に対して「〇月〇日に検認手続きを行いますよ」という通知がされる流れになります。

 

この申立てはさることながら、その前の相続人全員の戸籍集めの段階で手間取ることがよくあります。なぜなら、戸籍謄本というのは、自分の両親・祖父母・子・孫など直系の血族のものは自分だけで取得できますが、兄弟姉妹などの横並びの血族(傍系血族といいます。)の戸籍謄本は、勝手に取得することができないからです。

 

つまり、兄弟姉妹の仲が悪かったり、連絡がつかなかったりして手続き協力が得られない場合は、申立て前の戸籍集めの段階で苦労することになるのです。自分で取得できない場合は、司法書士又は弁護士に依頼して、職務請求により戸籍収集をしてもらうしかありません。

 

 

想像してみてください。

せっかく、世話になった子にすべての財産を相続させてやろうと思って遺言を書いていても、結局その子は兄弟姉妹の協力を得るしかないという状況が発生するのです。専門家に支払う無駄な費用が発生するし、検認手続き時にわざわざ「すべて自分のものになる」という内容の遺言を兄弟姉妹に見られるのですから、気まずい空気になるのは容易に想像できるでしょう。

 

法務局での具体的な保管申請手続き

遺言者は、自筆証書遺言を作成し、法務局に出向いてその保管の申請をすることができます。遺言書の保管申請は、「遺言者の住所地もしくは本籍地」又は「遺言者が所有する不動産の所在地」を管轄する法務局(正式には、遺言書保管所といいます。)の遺言書保管官に対して行う必要があります。

 

申請の際に特に注意しなければならない点として、次の2点があります。

 

①本人が自ら出頭すること

②遺言書の封筒の封をせずに持参すること

 

①について

遺言というものは本人しかできず、代理で行うことができません。この考え方は公正証書遺言においても同じです。遺言者が管轄法務局に自ら出頭した際に、遺言書保管官は遺言者の本人確認を行わなければならないことになっています。

 

②について

遺言書保管官は、遺言者が持参した自筆証書遺言の適合性を確認してから受付をするため、封をせずに持参しなければなりません。これを聞いて多くの方は「遺言書保管官がちゃんと確認してくれるから安心だ!」と思われたのではないでしょうか。

 

実はここに落とし穴があります。

 

 遺言書保管官は、保管申請に係る遺言書について、法律で決められている最低限度の「外形的」な確認・適合性の審査を行うだけで、その遺言書の「内容」が適法・有効であることを認めて受付するわけではないのです。

【詳細な取り扱いについては、その他制度の創設に当たり所要の規定の整備を行うものとしています。】

 

つまり、遺言書保管官は、審査の時点で「明らかに無効」な遺言書であれば、「これは無効な遺言書だから、やり直してください。」と教えてくれますが、その遺言書が①本文・日付・氏名の自書、②押印、③加除訂正の方式が外形的に有効でありさえすれば、その内容が適法か有効かの確認をすることなく受付されてしまいます。遺言書保管官は、「外形的」な有効・無効の確認義務はありますが、「内容」の適法性・有効性の確認義務は負わないことになっているのです。

 

 

 しかし、このような取り扱いになるのは仕方のないことだと思います。法務局がすべての自筆証書遺言の適法性・有効性を確認の上、保障することは現実的ではありませんし、万が一、その受付した遺言書が裁判所に無効と判断されてしまった場合、法務局の責任問題になってしまうためです。

 

 同じ理由で、外国語による遺言書の保管申請があった場合に、仮に法務局において遺言書の内容が判読することができないとしても、法務局は保管に係る遺言書が自筆証書遺言の方式で作成された遺言であるかどうかを確認することができればよく、その他の適法性・有効性まで確認すべき義務を負わないため、外国語による遺言を保管の対象から外す必要はないと考えられています。

 

保管制度を利用しても残る煩わしさ ~公正証書遺言との違い~

 当該遺言書の保管を申請した遺言者の相続人は、遺言者の死亡後、法務局に保管されている遺言書についての遺言書情報証明書の交付を請求することができます。

 

相続人は、この遺言書情報証明書を使って相続登記や銀行手続きを行うことができます(遺言書の原本を返してもらうことはできません)。なお、遺言者の生存中は、遺言者のプライバシー保護の観点から、相続人は当該遺言書情報証明書を交付請求することができません。

 

この遺言書情報証明書の交付申請をすると、遺言書保管官は速やかに「遺言書を保管している旨」を遺言者の相続人全員並びに受遺者・遺言執行者(遺言を執行するように指定されている人のことです。)に通知しなければならないことになっています。要は、関係者全員に「ここに遺言書を保管しているよ」と通知するのです。そして、この通知をするために法務局は、検認手続きと同様の書面(相続人全員の戸籍一式)を求めることになるといわれています。

【詳細な取り扱いについては、その他制度の創設に当たり所要の規定の整備を行うものとしています。】

 

つまり、法務局に遺言書を保管しておけば、検認手続きが不要になって便利ではありますが、結局のところ遺言書情報証明書を交付申請する方は、相続人全員の戸籍収集をしなければならない羽目になります。

 

 

この点、公正証書遺言においては、法務局や銀行窓口で使用する際に、相続人全員の戸籍収集は不要ですし、相続人全員へ通知がなされることはありません。何も手続きを踏まずに、すぐに各窓口で使用することができます。自分で集められる範囲の戸籍だけを集めて、速やかに手続きを完了されることができるのです。

 

 ①自分で保管した場合の自筆証書遺言、②法務局で保管した場合の遺言、③公正証書遺言の3つは、法律的な効力は全く同じですが、手続きの煩雑さは大きく異なるものになります。次の表にまとめましたので確認してみてください。

 

自筆証書遺言

(自分で保管)

自筆証書遺言

(法務局で保管)

公正証書遺言

相続人全員の戸籍収集

必要

必要

不要

相続人全員への通知

裁判所から検認期日の通知あり

法務局から通知あり

なし

検認手続き

必要

不要

不要

 

自筆証書遺言は、今回の相続法改正によってより身近なものになると思われますが、公正証書遺言と比べると、相続人はかなりの労力をかけて手続きを行う必要があることを理解しなければなりません。自筆証書遺言の検認手続きや相続人の全員の戸籍収集の際にかかる専門家費用と、公正証書遺言作成の際にかかる専門家費用はそれほど変わるものではありませんので、コストと労力の費用対効果を考えるとどちらが良いのかは明白です。

 

どの方式で財産を遺すべきか、人によって様々な意見があると思います。

しかし、財産を遺すお世話になった人のことを想うのであれば、公正証書遺言で作成してあげることが一番の思いやりであると私は思います。

 

相続法改正に関するセミナー・講演等承りますので、お気軽にご連絡ください☺

【法改正】2019年1月13日から始まった「自筆証書遺言の方式が緩和」についてはこちらをクリック

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【法改正】今日から遺言作成のルールが変わります!!どのように変わったか解説

2019-01-13

2019年1月13日から自筆証書遺言の方式が緩和されました。

 そもそも自筆証書遺言というのは、法律で決められた形式どおりに書かなければ無効となりますが、その要件が一部緩和されたのです。

 

画像は著作権フリー © タイトル:ブラックジャックによろしく 著作者名: 佐藤秀峰

 

2019年1月12日までの方式【旧法】

 2019年1月12日までの自筆証書遺言が有効となる要件としては、「全文自書」で「日付」「氏名」「押印」があれば、有効とされておりました。これらの要件が1つでも欠けていれば、どんなに丁寧に内容を書いたとしても無効です。

 

 私が実際に出会った遺言書の中には、内容をパソコンで作成し、氏名のところだけ自書し、実印が押印してあり、さらに印鑑証明書まで添付されてあるものがありました。

 

さて、この遺言書は有効だと思いますか?

 

この自筆証書遺言は無効です。なぜなら、有効となる要件の1つである「全文自書」の要件が満たされていないからです。その自筆証書遺言書を持ってきた相続人の方は、泣く泣く法律で定められたとおりの持分で相続をしなければならない羽目となってしまいました。

 

 ちなみに、自筆証書遺言は勝手に開封してはいけません。映画のイメージで、遺言書は相続人が全員集まったところで弁護士が開封して読み上げるものだと思っていませんか?実は勝手に開封してしまうと5万円以下の過料を処されます。意外な規定が民法にしっかりと規定されているので、ご注意ください。

 

それでは、封筒に入っていない遺言書は無効なのか?といえばそんなことはなく、封筒に入っていない裸の遺言書であっても有効です。なぜなら、民法に「封筒に入っていなければ無効」とはどこにも書かれていないからです。ただ、普通の感覚として、封筒に入れますよね(笑)

 

他にも意外なところとしては、「鉛筆で書いていても有効」であることや「実印ではなく、認印、拇印でも有効」などがありますが、いずれも真実性が確認できないと主張される可能性がとても高いので、いずれも避けるべき方法です。逆に、自書である必要性から、点字機で打った遺言やテープレコーダー・動画による遺言は無効です。このように意外に思われるような細々とした規定や判例が数多くありますので、わからないことがあったら速やかに司法書士等の専門家に相談したほうが賢明です。

2019年1月13日からの新方式

 2019年1月13日からの新方式は今までの自筆証書遺言が有効となる要件であった「全文自書」で「日付」「氏名」「押印」がある、のうち「全文自書」という要件を一部緩和しました。

 

 具体的な内容としては、全文自書ではなく、「財産目録」の部分についてはパソコンで作成したり、銀行通帳のコピーを添付したり、不動産の登記事項証明書のコピーを添付したりしてもOKになりました。なお、この場合、遺言者は自書ではない部分があるすべてのページに署名・押印をしなければなりません。自書ではない部分がその紙の両面にある場合においては、その両面に署名・押印が必要です。

 

 ちなみに、遺言書が複数枚になる場合において、契印(書類が連続していることを示すために、紙と紙の間に重なるように押印すること)をしていることは有効となる要件にはなりませんでした。つまり、契印がなくても有効ということです。これは2019年1月12日以前でも同じですが、遺言書に契印があることを要件にしてしまうと、無効となる遺言書が多発して実務が混乱する可能性が高いために要件から外れました。とはいえ、契印がある文書が正式な法的文書ですので、皆さまが自筆証書遺言書を作成する場合は必ず契印をして作成してください。

 

 自筆証書遺言の内容に加除・訂正する場合には、厳格に方式が決められています。具体的には、遺言者が、①加除・訂正の場所を指示し、②これを変更した旨を付記して特にこれを署名し、かつ、③その変更の場所に印を押印しなければならないとされています。

 

これらの具体的な記載方法は次の資料を参考にしてください。

※画像は法務省ウェブサイトより

 

改正後方式のメリット・デメリットとは?

 一見、いいことづくめに見える法改正ですが、私の個人的な意見を述べさせていただくと、無効な遺言書が今まで以上に増えると考えています。この自筆証書遺言に関する改正は、確かに書くことが減って負担は軽減されますが、かえって書き方が難しくなったように思います。

 

 例えば、自書でなくてもよくなったのは「財産目録」の部分についてだけです。何を誰に相続させる等を記載する「本文」については、ちょっとでもパソコンで作成してしまうとすべては無効な遺言書となってしまうのです。一般の方の中には「改正でパソコンで作成してもよくなったんだ!」と勘違いされる方も相当数おられるのではないかと私は危惧しています。

 

 さらにいうと、筆者が実務上今まで見てきた自筆証書遺言の中で「財産目録」が詳細に書かれているものはそこまで多くありません。むしろ、よほどの資産家でない限り、ほとんど書かれていないといってもいいかもしれません。

 

 実際の自筆証書遺言で多いのは、「一切の財産を妻A子に相続させる。」であったり、せいぜい「すべての不動産は長男Bに相続させる。その他の一切の財産は妻A子に相続させる。」や「甲不動産は長男Bに相続させる。乙不動産は二男Cに相続させる。」など、割とざっくりしたものが多いのが現状です。財産が多岐に渡り、それを詳細に分け与えたいという方については、今回の改正はメリットですが、専門家からすればその場合は公正証書遺言を作成すべきケースといえるため、自分だけで自筆証書遺言を作成することは全くおすすめできません。

 

 

 この改正による恩恵をうける層はそう多くはないのではないか?むしろ、無効な遺言書の作成を助長してしまうのではないか?というのが私の見解です。繰り返しになりますが、公正証書遺言を作成することをオススメいたします。

 

相続法改正に関するセミナー・講演等承りますので、お気軽にご連絡ください☺

 

2020年7月10日から始まる「法務局での自筆証書遺言の保管制度」の条文を読んでみましたが、メリットばかりではありません。公正証書遺言と比べると、大きなデメリットがありますので解説します。

⇩ ⇩ ⇩

「法務局での自筆証書遺言の保管制度」についてはこちらをクリック

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抵当権変更登記「連帯債務者2名のうちの1人が死亡した場合」

2018-07-04

今回は自分の備忘録として、抵当権変更登記について書きたいと思います。

 

【登記記録】

抵当権者 甲銀行

連帯債務者 A、B

 

【事例】

①Bが死亡

②Bの相続人間での遺産分割の結果、Aのみが債務を承継

③甲銀行は当該債務の遺産分割を承認

 

 

申請書は以下の通り。

 

【申請書】

登記の目的 抵当権変更

原因 平成年月日連帯債務者Bの相続

変更後の事項 連帯債務者 A

(以下、省略)

 

 

私は最初、変更後の事項については、もはや債務者はAのみであるので「債務者 A」とすべきかと思いましたが、

 

法務局の回答としては「連帯債務者たる地位をAが相続したのだから、1人になったとしても連帯債務者Aとすべき」というものでした。

 

抵当権の登記で、債務者が1人なのに「連帯債務者」という表示がされているものに出会ったことがなかったので、かなり違和感があります。

 

 

法務局の見解も理解できるので、確かに登記技術上は「連帯債務者A」とすべきとも考えられますね。

 

確かに「連帯債務者」としての地位が併存しているので、その通りですが、

私見では、すでに債務者は1人なのだから、もはや「連帯債務者」と表示されるのは、違和感がありました。

 

ちょっと書き留めておきたい内容でしたので、今回はマニアックなブログでした(^^♪

 

 

一般の方からしたら「そんなのどっちでもいいじゃないか」と感じられるかもしれませんが、司法書士という仕事は、このような物事を大真面目に頭を悩ませて、条文・先例と睨めっこしているのです(笑)

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【抵当権抹消】取扱店変更がある場合は変更証明書が必要か? 〜業務権限証明書ありのケース〜

2018-05-28

いつものように抵当権抹消登記のご依頼を受けたところ、

 

【登記上】

甲銀行(取扱店 A支店)

 

とあるのですが、出てきた書類は…

 

【書類上】

甲銀行 B支店の支店長に対する業務権限証明書

甲銀行 B支店の支店長作成の解除証書

 

でした。

 

 

ムムム・・・!!

 

まっ、大丈夫だろ!うん。

 

 

 

・・・大丈夫だよな?

 

と不安になったので、一応確認してみました(笑)

 

論点としては、取扱店の変更があった場合に「変更証明書」が必要かどうか?という話です。

 

法定添付書面ではないから、いらないはずと思い、法務局に確認したところ、

 

やはり

「規定がないので現状変更証明書は求めていません」とのことであるが、「今現状は求めていないだけで、他の支局又は今後の取り扱いまでは保証できません」とのことでした。

 

この言い回しは、公務員である以上仕方のないことだと思いますので、結局「いらない」ということですね!!

 

 

ホッと安心して、申請することができました☺

 

たかが抹消ですが、されど抹消です。簡単そうに見えて、侮れないときが多々あります。気を引き締めて手続きしなければいけませんね!(^^)/

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地役権設定は利益相反行為になり得るか?

2018-03-02

今回は久しぶりに実務の備忘録を書きたいと思います。

 

承役地の一部についての通行地役権設定登記手続きのご依頼がありました。

 

承役地の一部について、地役権設定する際に気を付けなければならないのは、地役権図面を添付することですね!登記原因証明情報としては、地役権設定契約書に地役権図面を合綴し契印したものを添付しました。

 

【申請情報】
登記の目的 地役権設定

原因 平成◯◯年◯◯月◯◯日設定

目的 通行

範囲 北側◯◯・◯◯平方メートル

権利者 A

義務者 甲株式会社
    代表取締役A

添付情報
登記原因証明情報  登記済証  印鑑証明書  株主総会議事録
地役権図面  代理権限証書  会社法人等番号

不動産の表示
1.承役地 〇〇の土地
2・要役地 〇〇の土地

 

 

申請書について、1点だけ法務局から「不動産の表示は、承役地を先に記載してください」とのお願いがありました。実際は私は要役地を先に記載したのですが、次回からはそのようにしてくださいとのことでした。(お願いレベルの話なので、補正にはなりません)

これはおそらく、「申請地は承役地」であって、要役地は職権によって登記されるため、申請地である承役地を先に書いてほしいということだと思います。

※個人的な見解です。

 

申請書を見れば、するどい方はお気づきかと思いますが、利益相反になっています。

 

地役権設定で利益相反なんて、かなりのレアケース!!

私は最初に「あ、これ利益相反だなー」と思って議事録を作成したのですが、念のため調べてみようと思って実務書をあさってみても、地役権の利益相反に関しての記述がどこにもありませんでした。ネット上で探しても専門家の記事は見当たらず…。普通なんらかの記述はヒットするんだけどな~。

 

地役権は、土地につく権利であって、人につく権利ではないので、例外的に権利者の氏名が登記されません。その関係で、もしかして地役権に関しては利益相反にならないのかな?なんて、ふと疑問がわきました。

 

しかし、登記論を一旦離れて法律論だけで考えると、会社所有の土地上に当会社の代表取締役が個人として通行しようとしてるんだから、実質1人で恣意的な契約ができてしまう。

 

 

「こりゃ絶対利益相反だ!!」

と自分では結論を出したのですが、

心配なので法務局と打ち合わせしてみました。法務局も即答できず、ちょっと局内で検討させてくださいとのこと。

 

結果、やっぱり利益相反なので、議事録添付必要でした。

 

どんな登記であろうが、専門書に記載がなかろうが、原則に立ち返って考えなければならないですね!久しぶりにワクワクした登記でした☺

 

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珍しい登記シリーズ「賃借権設定登記、さらに賃借権質権設定登記」

2017-08-30

またもや来ました、珍しい登記を経験しましたので書き残しておきたいと思います。今回の手続きを忘れているであろう10年後の自分のために…(笑)

 

司法書士業界には約10年おりますが、開業してから珍しい手続きを多くさせていただいております。不動産取引、住宅ローンや贈与手続きなどのよくある手続きはもちろん慣れておりますが、今回のような珍しい手続きをさせていただくことで専門家として深みがでるってもんですね(^^♪

 

難解な手続きどんと来い!!

 

今回の手続きは「賃借権設定登記」と「賃借権質権設定登記」でした。

 

賃借権設定登記はたまにあります。例えば、事業用借地権(コンビニやガソリンスタンドが土地を借りるなど)のときなど登記することもありますが、賃借権を目的として質権設定を行うのはちょっと珍しいですね。

 

※抵当権は物権(所有権、地上権、永小作権)にしか設定することができませんが、質権は債権(指名債権や賃借権)にも設定することができるのです。

 

今回はなぜこんなことをする必要があったかというと、土地の所有者から事業者が土地を借りて太陽光パネルを設置し、その事業者が借りている権利を銀行が担保を取って融資をしたのです。

 

登記原因証明情報の概要は以下の通りです。

 

1 登記申請情報の要項 

(1)登記の目的        1番賃借権質権設定

(2)登記の原因        平成〇年〇月〇日金銭消費貸借

                            平成〇年〇月〇日設定

(3)当 事 者        権利者(甲) (本店)

                 (商号)A

                 (代表取締役)

          義務者(乙) (住所)

                 (氏名)B

(4)不動産の表示     

   〈省略〉

2 登記の原因となる事実又は法律行為

(1)平成〇年〇月〇日、甲と乙は、下記内容の金銭消費貸借契約を締結し、同日、甲は乙に対し、本契約に基づく金銭を貸し渡した。

   債権額 金〇〇万円

   損害金 年〇〇%(年365日の日割計算)

   債務者 B

(2)平成〇年〇月〇日、甲と乙は、上記記載の債権を被担保債権として、下記賃借権質権設定契約を締結し、本件土地賃借権(平成〇年〇月〇日法務局受付第〇〇号登記済み)の上に第1順位の使用収益禁止特約付の質権を設定した。

(3)本件不動産の所有者であるZは、本件土地賃借権(平成〇年〇月〇日法務局受付第号登記済み)への賃借権質権設定を異議なく承諾した。

 

  質権の表示

   〈省略〉

 

まず、一つのポイントとして、原則として質権の成立要件に「引き渡し」がありますので、登記の原因となる事実又は法律行為の要件として引き渡しの旨を記載すべきではないか?との疑問がありますが、今回は使用収益禁止の特約があるため、そもそも引き渡しが必要ありませんでした。

 

法務局の方からも「引き渡し」について言及がありましたが、結局引き渡しがなくても質権は成立しているということで通りました。使用収益をしないのであるから、そもそも引き渡しをする必要がなく、諾成契約になるということですね。

 

その他、一応所有者の承諾書(印鑑証明書付き)を添付したことと、登録免許税は質権の債権額×1000分の4だということくらいでしょうか。所有者の承諾書の要否については、学説上・登記上どうなのか迷ったので、法理論は置いておいて、どちらにしても実務上所有者の承諾はあった方がトラブル防止のためによいと判断しました。

 

所有権に設定する質権とは違い、賃借権質権は付記で登記されるので「うーん、1,000円かな?」とも悩みましたが、通常どおり債権額×1000分の4でした。

 

登記完了後の全部事項証明書はこんな感じです。

(※あらゆるパターンが存在しますので、あくまでも一例として参考程度にご覧ください。)

 

実務書にも載っていないような登記ですが、そんなマイナーな登記も軽々こなすのがプロってもんですよね☺これからも精進します!!

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環境衛生金融公庫の抹消登記手続き

2017-08-02

先日、収用を行う予定の土地3筆に環境衛生金融公庫名義の抵当権が3つずつ設定されていたので、抵当権抹消登記のご依頼がありました。

 

「たかが抹消、されど抹消」です。住宅ローンの抹消のような簡単なものもありますが、放置されているものはそれなりに難しいものもあるのです。

 

少々珍しい登記だったため、今回も自身の備忘録としてブログを書かせていただきます。

 

【登記記録】

A土地 1番抵当権 環境衛生金融公庫

    2番抵当権 環境衛生金融公庫

    3番抵当権 環境衛生金融公庫

B土地 1番抵当権 環境衛生金融公庫

    2番抵当権 環境衛生金融公庫

    3番抵当権 環境衛生金融公庫

C土地 1番抵当権 環境衛生金融公庫

    2番抵当権 環境衛生金融公庫

    3番抵当権 環境衛生金融公庫

 

まず、これらの登記を何件の登記申請を行うことができるか?ですが、1件で申請することができます。

 

細かい条文の説明は割愛しますが、同一の土地上に同一名義人が複数の抵当権を抹消する場合は一括して申請することができるのです。

 

なぜ一括申請するのかというと、抹消登記は1不動産につき1,000円の登録免許税がかかるため、一括申請をした方が安上がりとなり、お客様のメリットになるからです。

 

つまり、今回は3筆の不動産があるので3,000円で済みます。これを共同抵当権ごとにばらばらに抹消すると9,000円かかってしまうのです。

 

 

さて、本題ですが、環境衛生金融公庫は現在存在しません。環境衛生金融公庫が辿った経緯は以下の通りです。

 

環境衛生金融公庫

平成11年10月1日 国民生活金融公庫に承継

平成20年10月1日 株式会社日本政策金融公庫に承継

 

移転登記がなされていればなんの問題もないのですが、今回は環境衛生金融公庫の名義のままでした。

 

さらに、平成11年10月1日以前にすでに解除済みで、かつ原契約書などの登記済証はすべて紛失しているとのことでした。

 

よって、株式会社日本政策金融公庫が抹消登記義務を承継していますので、移転登記を経ることなく直接事前通知制度を利用して抹消することとしました。

 

申請内容は以下の通り

 

登記の目的 抵当権抹消

原因 平成11年9月30日解除

抹消すべき登記 (省略)

権利者 (所有者の表示)

義務者 環境衛生金融公庫

    上記承継会社 株式会社日本政策金融公庫

    代表取締役 (省略)

    登記識別情報を提供できない理由:その他(紛失)

添付書類

登記原因証明情報(甲銀行の某支店長押印の解除証書)

代理権限証明情報(当事者の委任状及び日本政策金融公庫から甲銀行への包括委任状

会社法人番号(省略)

業務権限証明書(甲銀行から某支店の支店長への業務権限証明書

印鑑証明書(日本政策金融公庫の印鑑証明書

  ※事前通知のため必要。

  ※甲銀行の印鑑証明書は不要。

承継証明書(平成11年10月1日国民生活金融公庫法附則第3条第1項及び平成20年10月1日株式会社日本政策金融公庫法附則第15条第1項による承継により添付省略)

 

以下省略

 

このような申請書となりました。

 

かなり騒がしい申請書ですね(笑)

承継が2段階になっていますし、包括委任状と業務権限証書によって「代理の代理の代理」のような形での申請ですので、ちょっと珍しかったです。

 

通常の会社の場合は、承継前に会社の商号や本店に変更がないか証明しなければならないため、閉鎖謄本を添付しなければなりません(相続登記の際の戸籍の附票を添付するのと同じ理屈)が、今回は元国の機関の承継ということで官報にも記載があり公知の事実のような意味合いで添付が不要とのことでした。

 

検討事項の多い抹消登記でしたので、今後のために書き残しておきます。

 

読んでいただいた方、ありがとうございました!(^^)!

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代表取締役が2人(共同代表)の会社とは?!

2017-07-26

株式会社の共同代表に関するお仕事がありましたので、備忘録として書かせていただきます。

※少し専門的なお話になります。

 

先日、ある会社の社長様から代表取締役を1人から2人にしたいとのご相談があり、詳しくお伺いしたところ「単に代表取締役を2人にするだけでなく、それぞれ別の会社実印を持ちたい。」とのことでした。

 

「もちろん可能です!」

 

そこまでは、通常の相談の回答だったのですが、顧問税理士の先生からさらに次のような質問がありました。

 

「共同代表となっても、何かしら契約するときに代表2人の印鑑がいらないように(1人だけの印鑑ですべて事が済むように)手続きしてほしい。」

 

一瞬「?」となりました。なぜなら、元々代表取締役として選定されている方は、それぞれ会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする包括的な権限を持つからです。

 

もっと詳しく言うと、対内的のみならず対外的にも代表取締役の権限の範囲を制限・限定することはできますが、対外的な関係において、その事情を知らない相手に対しては代表取締役が業務執行権に制限があったことを主張できないのです。

 

要は、そのような手続きがなくとも当然に1人で何もかも手続きできるので「?」となったわけであります。

 

その旨を税理士の先生にお伝えすると、「いや、1人でできるように手続きが必要だったはずだけどなあ」とのこと。

 

とりあえず、少なくとも現在の法律ではそのような取り扱いはなく、2人の印鑑が必要な場面はないとお伝えして、帰って少し調べてみました。

 

調べてみると、2005年までは「共同してのみ代表権を行使することができる旨」を定めることができたそうです。「何か契約する際には必ず2人の印鑑が必要」という定めができたわけですね(^^)

おそらく、この制度が頭の片隅に残っていて少し誤解されていたのかなと思われます。

(※ほとんど利用されることがなかったため、今は廃止されています)

 

つまり、何も定めなかった場合には、昔も今も同じようにそれぞれ代表権を持つということなので、今回はどちらにしてもお客様のご希望通りそれぞれ代表権を行使できるので問題なさそうです☺

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相続人ではない包括受遺者間の遺産分割

2017-07-12

先日ちょっとレアな登記を経験しましたので、備忘録として記載させていただきます。専門的な記述になります。

 

事例 ※実際の事例よりかなり簡易に書きます

登記名義人 A(昭和60年死亡)

Aの相続人B(平成29年死亡)

Bの相続人C

 

上記の状態で、亡Aの相続については、昭和60年当時の遺産分割協議書があり、協議の結果Bが当該不動産(農地)を取得するという内容でした(当時、なぜか一部の不動産についてのみ相続登記をしており、一部登記していないものがあった)。

 

その上で、Bが相続人ではないD・E・F・Gに対して4分の1ずつ包括遺贈するという公正証書遺言を遺していたのです。

なお、遺言執行者はEと指定されています。

 

D・E・F・Gの希望としては、D一人の名義にしたいという希望があります。

 

 

・・・さて、論点が盛りだくさんです(笑)

 

私が思い当たる論点は以下の通り。

①包括遺贈の場合、農地法の許可の要否。

②亡A名義→亡B名義への相続人による登記を行う際、保存行為として申請者となるのは、Bの相続人であるC?それとも包括受遺者?

③そもそも全員相続人でない包括受遺者間での遺産分割は可能か。

④遺産分割が可能として、亡B→Dにショートカットして登記できるか。それとも一度D・E・F・G名義を経由しなければならないか。

⑤包括遺贈による所有権移転登記の登録免許税は?

⑥遺産分割による持分移転登記の登録免許税は?

 

 

1つずついきます。

 

①は、受験時代に覚えていたので、包括遺贈の際は許可不要と覚えていたのでクリアしました。また、それを前提とする年月日遺産分割を原因とする持分移転も当然許可不要です。

 

②については迷いましたが、実際の申請は相続人であるCからしました。実際それで登記は通りましたが、法務局から電話があって、「包括受遺者からの申請が適切ではないですか?」とのご指摘がありました。協議の結果、まあ保存行為としてどちらの申請でもOKだろうということで決着がつきました。

 

③は、相続人と同一の地位で遺産分割に参加できるのは明白ですので、もちろん可能ですね。ただ、全員相続人ではな包括受遺者間での協議ということで「んー?」と一瞬なりました。

 

④については、登記研究でショートカットできないという記載がありました。以下の通り。

 複数の包括受遺者間において遺産分割が成立した場合でも、遺産共有状態の登記を経由した上で、目的不動産の取得者に対する持分移転登記をしなければならない(登記研究571号75頁)。他方、一部包括受遺者と相続人との間において遺産分割が成立した場合に遺産共有状態の登記を省略できるかについては明らかでないが、受遺者と相続人との共有状態を登記する場合には、先に遺贈による一部移転を、その後に相続による残部の移転を申請しなければならない(昭和30年10月15日民甲第2216号)。

 

⑤については、1000分の20とすぐにわかったのですが、⑥の遺産分割の際には、1000分の20と1000分の4どっちだ?!となりましたが、相続人以外ということで、⑥も1000分の20のようです。

 

 

以上、論点盛りだくさんの司法書士冥利につきる登記がありました。

 

今後また出てきたら一瞬で判断できるのでパワーアップできました(^^♪でも、もう一生会えない事例かも?!笑

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